南九州自転車の旅2013/03 




霧島で、赤痢嫌疑集団になった我々数百人を載せた列車は、停車駅ごとに出迎えの保健所員の消毒噴霧姿が残っています。
南港フェリーのタラップの長いこと、何度も自転車袋のベルトが滑り落ちます。いつもこれが一番難関で
す。午後630分出港。
 いつか春に南九州に行こうと思っていたのは、高校の修学旅行の終盤のコース、鹿児島から日南海岸、別府までの汽車の旅です。
 その変な思い出を解放させるべく、宮崎港から志布志、鹿屋、根占、指宿、開聞岳、知覧、霧島高千穂の峰とで五泊、行き帰りのフェリー全7泊の旅に出かけました。
結果は、九州っていや日本って、こんなにすばらしい所なんだと云う旅になりました。独りのロングツーリングは、不安があるものの、気儘な旅の憂愁さは楽しみでもあります。山登りのように道すがらの人達沢山いる訳でもなく、暗くて長い坂道を必死に上りながら、なんでこんな事してるんだろうと、思ったりするのはどうしてなんでしょう。
 もう一つ、学生時代の山仲間の百名山踏破の自慢話でも、開聞、高千穂などの低山は、遠方がゆえに登っていないのが多く、自転車で行って来たんだとチョット自慢したい気もあります。
 では前置きはこの程度にして、後日行かれる方の為、簡単に行程説明などをしておきましょう。



320
 家の出かけから雨模様、阪急中津で本格的な雨、薄汚い高架下で自転車を組んで、雨の中大阪スカイビルバスターミナルに走る。10分ほどで到着、再度パッキング。宮崎フェリーはここから乗るんです。フェーリーと南港までのバスセットはウィラー旅行社バスです。埠頭まで乗り換えなしがありがたいし、値段も3割近く安いんです。


二等寝台は快適、同室の和歌山からのチャリダーと歓談、彼は和歌山からで医学部二年生、チャリンコ経験1年未満だそうです


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 9時半宮崎港着、彼は宮崎でウィクリーマンションを借りて学友5人とサイクリングだそうです。これグットアイデアですね。
北海道もこうするかな。
私は青島に向かって出発、何となく専用バイパスのような道を走っていると、前方の料金所から女性職員が走ってお出迎えです。緑色の看板表示がないから一般道路と思っていました。高速道路の取り付道路を走っていたです。お金を取られるかと思いましたが「無事で好かったですね」とのこと。
 天気は快晴、日南海岸あたりの青い海。白い波の打ち寄せる洗濯板海岸はずっと大きく広く壮観です。
220号線宮崎の桜はもう終わっている感じですが、春の花が道路沿いにいっぱいで、とっても快適です。


 青島神社に続いて、鵜戸神社に参拝、お賽銭少々。宮崎は神話の里ですが、出雲と同じ神様のお話し。チャンと整理をしてくれないと記憶出来ませんね。伊勢にもあるし。


 自転車の行程は、時速10kで計算すると、途中寄り道、休憩しても大体計画どうり意外とぴったりです


最初の計画は油津から448号で都井岬に行きたかったのですが、宿泊の予約がとれないのでパスして、志布志の民宿に泊まることにしました。
それで、時間稼ぎでJR日南線の大堂津から終点志布志まで輪行。
これでもJRかと思うぐらい、ギャーギャーギーギーと音の出る廃車寸前のワンマン電車。ほとんどが無人駅ですが、このやかましさ情緒など無いからおすすめは出来ませんね。
7時半志布志着、ここも無人駅。運転手にこの電車大丈夫か、壊れているではと皮肉を言って下車。


予定の民宿まで1時間以上ひどい登り、そして下り。広い畑中、薄暗くなってこんなところに民宿など有るのか、少し心配になってきましたが、 実はナビを持っていて、駅舎近辺でスイッチオンをしているのですが、信頼感が無い。つまり自分の方向感覚と合わないです。
そうこうしている内に、突然畑中の民宿すずかぜ荘の前にでる。4棟もある大きな新しい民宿です。
 素泊まりでお願いしていましたので、近くに町営温泉蓬の里で夕食。温泉あがりの生ビール、やめられませんね。たった1杯でフラフラ。宿の女将さんに迎えに来てもらって帰りました。
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 素泊まりだから朝食なし。食堂では他のお客が朝飯、何だ頼めばあったじゃん。宿の亭主はバックパッカーで、趣味でこの民宿を作ったそうです。スリランカの話しをしとしきり。腹減ったな-。出発で表に出てみると、里山風景にマッチしてのんびり感じ良いところ。お勧めです。
 昨夜洗濯のシャツとパンツを乾燥目的で、荷台にひらめかせて1時間ほど畑中を走る。堆肥の臭いのする風も懐かしい。 R220に出て、南行するが1時間走っても、目標の肝属川河口に到着せず。コンビニで朝飯を買って、聞いてみても知らないそうです。
海岸線を走ることなっているのに、西側も山がある。やっと気がついて地図をよく見るとR220に出たところを少し戻って、R488を選択する必要があったのですが、完全に間違えている。
 今回の旅行の3つ目の課題は地図を読んで頭に覚え込むという課題、昨夜は酔っぱらってすぐ寝たし、朝は寒くて布団の中でうつらうつら。ただでさえ記憶力と計算力のなさは、旅に出ると本当に衰える。視力もそうですから走りだすと、地図を見るのが面倒なんです。
 後日、指宿で知り合ったH君は、ツーリングマップルをフロントバックの上にバンドで固定。しょっちゅう見て走るんです。なるほど、これはアイデア。老眼の私でもできそうです。
 私は計画Excelで詳細に距離と予定時間の行程表を作っていますが、道路番号までは記入していません。今回、天候などで行程変更はユースホステルにPCがあり本当に助かりました。ナビサイトNAVITIMEは、高低差をチェックして、道路が選択できてでき助かります。ルートラボより簡単です。お勧めです。


 間違った道R220は鹿屋へ最短距離になっています。車の多い産業道路です。何とか道を探して中流の肝属川に到達、肝属川は建設省広域自転車道になっいて、霧島連山を望み,花いっぱいの気持ちの良い自転車道です。河口から走りたかったけど。






 ショートカットぎみで鹿屋の航空基地資料館に11時つき、子供の頃に好きたった復元零戦をみたり酸素魚雷をみたり。
館内の展示、特攻記録は見るに忍びない。旧海軍末期の無謀作戦は私のいた会社もよく似た事があったけ、思い出しても腹が立つ。
海上自衛隊特製黒豚カレー600円を喰って12半に出発、雨がポツポツ。錦江湾側に出て、根占の向かったのですが、かなり降り出しました。途中長い下り坂で後ろブレーキが効かなくなり、よく見ると砂利を嚙んで、シューがひどく摩耗しています。何とか前ブレーキを使って、減速、減速の下りです。大根占あたりで晴れてきたので、自転車屋を探しましたがブレーキパッドは無いとのこと。明日からどうすりゃ良いの? 指宿にはあるかも。




 根占の錦江湾YHには16時に着いたのです。計画では今日の行程は80kは有るはずですが、道を間違ったにしても早すぎます。距離計は60k未満です。どうも事前の計算ミスと、雨にたたられてノンストップで来たのも関係しているようです。これだったら最終のフェリーで指宿まで行けたのに。
宿は予約済みですから、古いしょぼくれ錦江湾YH泊まりました。


ここも、近くに町営温泉ネピー館があります。
温泉は塩浴です。温泉の食事は、6時からと言うことで、やめて近くの道の駅で魚弁当と甘いもの買って帰りました。これで充分です。ダイエットダイエットです。夜中におきて談話室のPCで見ると、明日は午後3時から雨とのことで、明日は先に開聞岳に登ろうと決めました
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 晴れ、フェリーで対岸の指宿へ船行。山川港に下船してどの方向に走るか、教えてもらう。納得出来ないから、磁石と地図見るが自分の感覚と合わず。これを方向音痴と言うんだと再認識。とりあえず感覚と反対方向ですが走り出します。地図を前日のしっかり見ておく事だと反省しました。簡単だからといい加減にするからいけないです。
開聞岳登山口まで12Km 軽い登りだけど、青い空、白い雲、開聞岳の薄緑、快適です。


R2261時間ほどで、開聞山麓の公園に着き、自転車を置いて、3.5kの山道ですが、1k/1時間の悪路。年寄りの脚には堪えます。1時過ぎ頂上到達、眼下に広がる錦江湾沿いの指宿の町、長崎鼻など見て、カロリーメイトの昼食、残念ながら桜島は霞んで見えません。

風強し、4時過ぎ、登りより苦労して下山。何とか下山中の雨は回避しましたが、チャリの帰り道は雨の中、来た道を山川まで戻ってクリヤ旅館に到着。


 部屋は予約なしの若いチャリダーの為に、相部屋にしてあげました。彼は北大2年生、テント持ちで九州サイクリングのこと。野宿の荷物のパッキング方法を聞く、大変参考になりました。7月には北海道行く。寝袋、テント持ちの考えてしまいます。
夕食は鰹のたたき、さすが本場旨いです。
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 彼は朝飯は6杯以上、学生の頃の自分もそうだったんでしょうね。でも痩せてて、古い写真を見るとほれぼれします。
 彼と一旦県道を指宿に向かい、ブレーキパッドを買うのを同行してくれました。その自転車屋のおやじさんに聞いて、この県道からR226に上がりましたが、結構な登りです。大荷物の彼に遅れること百米。R226は結構高いところにあり、錦江湾が見渡せます。
長崎鼻、開聞口、池田湖に行き昼食(高くてまずい卓上回転流しそうめん)。そこからは彼は鹿児島、私は知覧へと別れました。7月には北海道で再会するかも。



  指宿鹿児島スカイラインを先行して登って行く彼を追ってとぼとぼペタリング。実のところ半分くらいは歩いていました。突如空が開R245分岐に到着。一気に飯山と知覧茶畑に降下。



広々した一面の茶畑(標高150米)を知覧に向かってのんびり走る。途中道の駅でアイスクリームとコーヒ。このアイスは台湾で食べたのと同じ牛乳100百%のねっとりした混ざり物なし。
 午後3時過ぎ知覧の特攻平和記念館につく。外で隼戦闘機の写真を撮る。隼と零戦の違いをチャンと知っているの私ぐらい。記念館中には飛燕があるそうですが中に入る勇気は出ない。


沢山の観光客、お年寄りが多いけど、それぞれの思いがあるんでしょう。 翌日武家屋敷の公園でこの特攻平和記念館の案内ポスターが貼られていて、十五、六歳程度にしか見えない少年航空兵数人が子犬を抱いて笑っている写真。今でも心に深く突き刺さっています。
この日は知覧ビジネスに停まり。近くのコンビニ弁当で夕食

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 知覧から標高差二百指宿鹿児島スカイライン知覧IC目指して出発。意外と簡単に峠に到着。ここからは、錦江湾を眼下に指宿枕崎線の平川に高速降下。海沿いにR226を谷山駅に、ここから輪行。鹿児島中央で日豊本線に乗り換え霧島神宮駅に行く。
神宮駅で自転車を組んでいると、タクシーの運転手寄ってきて、先週NHK火野正平がこっからどこかえ行ったんだと言う。二番煎じをやっている訳でないよ、こっちのほうがずっとしんどいだから。
軽い登りで、明日登る高千穂の峰も夕日で美しい。

1時間ほど霧島神社境内横の霧島神宮YHに到着。
食事も5千円で2食付き料理も良い。温泉も最高。屋上露天風呂もある。開聞登山で痛んだ脚をひたすらお湯でケヤー。晩飯は福岡からのおじさんから九州の温泉談義を聞く。
ここは部屋は古いが是非おすすめですよ。


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 高千穂の峰に登る予定。でも脚もがたがた。寒波が来るとのことで、軽装では少し危険。昼からは雨の予報。あっさりあきらめて、R223を霧島火山湖の御池に向かう。ここからの高千穂の峰の眺めは中腹よりガスっている、登らなくて好かった。

高原町(たかはる)へ下る。下りの寒さよ、人生下り坂凍える寒さ、最高とは云えないことも有るんです。12時過ぎには吉都線(えびの高原線)の高原駅に到着。

 昼飯と思うがみすぼらしいラーメン屋が一軒のみ。入ってみると至る処にガラクタが積み上げてある。覚悟してラーメンセット五百円を注文、実にうまい、五ミリもある焼豚二枚びっくりです。








高原駅は,無人駅ですが結構広い畑中にあり、天孫光臨の地と言うことで、立派な看板もある。高千穂の正式登山口でもあります。
でも,温泉が無いから観光の起点駅にはならない閑散とした無人駅。小学生を捕まえて写真を撮ってもらう。


1時過ぎの電車に乗って、都城経由宮崎駅に3時すぎ到着。19時のフェリーまで4時間余りある。シーガイヤに行って時間つぶし。
19時出港のフェリーは、帰りは雑魚寝の大部屋。空いているから問題なし。
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 朝大阪南港着、予約のウイラバスで梅田バスセンター10時無事到着。後は家に帰って寝るだけです。

コメント

  1. このブログは神戸自転車同好会の会報に投稿しました。

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